地カクテルとは世界で初めて2010年に四国で始まった取り組みです。
・できる限り県産米使用の県産地酒をベースとする
・各県の特産品のみを使用する
・版権の独占や格付けは行わずレシピを広く公開する
「ふるさとのお酒で」「ふるさとの食材をもとに」「ふるさとのプロがつくり」「ふるさとの人が選ぶ」ふるさとのカクテルです。毎年、各県の代表が新作を携えて集まり、老若男女100名の方にフリーで審査していただいてその歳の四国チャンピオンを決定します。
審査風景、作り置きではなくすべてその場でフレッシュに作りました。
結果発表は本会場にて。お客様からは携帯写メの嵐。口コミお願いいたします。
今年は本会場から少し離れた特設会場で開催。
「1票の重みで天国と地獄」
今年もやってまいりました「阿波池田四国酒まつり」。今年の地カクテルは例年にも増して「世界に例を見ない」「史上初」「???」のオンパレード。過去2回は愛媛県、徳島県が優勝に輝く。今年は香川県、高知県が満を持しての雪辱なるか?はたまた愛媛、徳島の返り討ちか?概して「隣同士は仲が悪い」とされる四国四県、今回も結果的に対角線上にタッグを組み下克上の様相を呈してまいりました。愛媛か徳島が勝った場合は1県だけが2勝獲得のやっかみにあい、はたや香川か高知が勝利すれば1県だけが取り残されるという、いずれにしても絶対に丸くはおさまらない確執の結果が予想される一戦です。それでは早速、選手紹介。
愛媛県はシルクハット。一部のお客さんはウサギが出るのを期待していたようだ。
【愛媛代表(第1回優勝県)】
カクテル名「ニホントウ(日本刀)」
愛媛産のレモンを中心に鷹の爪、クロープ、シナモン、生姜に和三盆、仕上げに伯方の塩入りアイスと、あらゆる材料をぜいたくに詰め込んだ豪華カクテル
レシピ
清酒「華姫桜辛口」30ml 自家製ジンジャエールシロップ45ml(和三盆、生姜、今治産レモン、シナモン、クローブ、鷹の爪)、愛媛産レモン10ml。これらをシェイクし陶器グラスに注ぎソーダアップ。自家製伯方の塩入りアイスをフロートして完成。
直前インプレッション
原価の馬鹿高いゴージャス・カクテルで第1回優勝を得た愛媛県らしい総花的カクテル。しかも今回は良く見ると他県の名産物まではいっている様な・・・。四国はわが領土と勘違いしている愛媛県らしいカクテルである。
作者
「Bar Tiny Bubbles(タイニーバブルス)」(新居浜市) 高橋尚毅
地元阿波池田のバーからも駆けつけ協力でチームワークの徳島県
【徳島代表(第2回優勝県)】
カクテル名「きんとき〜の」
徳島県の温暖で降雨量が少ない気候と、海のミネラルをたっぷりと含んだ砂地で育てられている鳴門金時。、食物繊維、ビタミンがたっぷりな美容と健康に最適なベジタブルカクテル。
レシピ
「御殿桜どぶろく」80ml ふかした鳴門金時芋20g ミルク80ml プレーンシロップ20ml トニックウォーター30ml すべての材料をプレンダー(ミキサー)で混ぜグラスに注ぐ
直前インプレッション
焼き芋とどぶろく(白酒)でつくるおそらく世界初のカクテル。前回は愛媛県を差し置いてみかんのカクテルで優勝をさらっていったへらこい徳島県らしからぬオリジナリティの高さ。しかしいかにも世界初らしく、まだ誰も飲んだことが無いという味らしいのが一寸不安である(笑)。
作者
「Bar鴻Kohno」(徳島市)
岩田滉貴
香川県はうどん出汁のホットカクテル 湯せんをするのはなんと酒燗器(左端)
【香川代表】
カクテル名「伊吹恋詩(いぶきこいうた)」
讃岐の國の観音寺の沖に浮かぶ島、伊吹島。伊吹いりこで有名なこの島で使われる言葉には、古の京の都の京言葉の名残があるという。瀬戸の優しい潮風に育まれ、優しく育った娘たちが京の言葉で口ずさむ、恋の言葉、恋の歌。夕凪の海を夢想し、このカクテルを創造しました。
レシピ
「川鶴いりこ酒」30ml 清酒川鶴「特別純米酒 大瀬戸」20ml イリコ出汁10ml 伊吹イリコ粉末少々、高瀬抹茶粉末少々、香川県産檸檬
直前インプレッション
うどんの出汁であるイリコ出汁をカクテルにしてしまった。うどん県からいつかでるような気がしていながら誰も完成できなかった念願のカクテル。しかも大会史上初のホットカクテルで参戦。これで優勝できなければ坊主になると担当の川鶴社長は豪語しているが、はたしてAKB48のようにうまくいくか?
作者
「salon de Shell」(サロンドシェル)(高松市)
村上充明
「Jack&Rose」(ジャックアンドローズ)(高松市)
丸亀剛
高知県代表は昨年と同じ青木さん。ベテランらしく余裕の捌き。
【高知代表】
カクテル名「土佐モヒート」
「モヒート」は、南米キューバのハバナが発祥の近年人気のカクテル。そのレシピには一般的にはミントを使用するが、本場キューバではより野性味と清涼感あふれる「イエルバ・ブエナ」という別種のミントを使用する。今回、その日本では大変希少な「イエルバ・ブエナ」の高知県産(ハウス栽培)の物が手に入ったため、それを使った地カクテルを考案した。名づけて「土佐モヒート」。ミントには本場同様「イエルバ・ブエナ」をたっぷり使用し、純米大吟醸原酒をベースに、ライムの代わりにこれまた高知県産のフレッシュな柚子果汁を使用。まさに太陽の国・南国土佐の夏のイメージを彷彿とさせる、抜群に爽やかな地カクテルである。
レシピ
清酒「司牡丹純米大吟醸原酒」30ml ゆず果汁15ml イエルパ・ブエナの生葉数枚 クラッシュアイス
直前インプレッション
いつもの高知県らしくウンチクたっぷりの解説である。いま流行のモヒートで勝負する意気や良し。冷静に考えるとモヒートをつくりたいがために無理やり御当地ミントを栽培したのでは?と疑ってみたくなるが、それを平気でやってしまうのが高知県人である。
作者
「パール・バッフォーネ」(高知市)
青野摩周
高知県の「土佐モヒート」 試飲カップに注いでもルックスが良い
(右から)徳島県と香川県はイケメン、愛媛は帽子、高知は髭とキャラが豊かな選手連。
予定通り11時30分にゴングか鳴りガチ試合のスタート、先着順100名限定のお客様(審査員)は次々に流れ、30分後には112名のお客様の貴重な審査結果が集まりました。作り置きではなく、すべてその場で調理するという集中作業。おかげでフレッシュなカクテルが提供できましたが、選手の皆さんにおかれましては大変にお疲れ様でした。続く30分で人海戦術による集計を済ませ、早速12時半から本会場で発表と四国酒まつり主催者である阿波池田商工会議所真鍋会頭からの表彰式が開催されました。
今年の優勝は愛媛県の「日本刀」。実は次点の高知県「土佐モヒート」とは2ポイント差。112人の内の誰か一人が愛媛県1位審査を3位にしていれば逆転していた数字です。第1回でも愛媛に僅差で負けた高知県。あのときの再現です。高知県担当委員の司牡丹酒造竹村社長は「こんなことなら、どさくさに紛れて自分もお客さんの列に並んでおくんだった」と悔やむことしきりですが、ここでうっかり口に出してしまった以上、来年はその手は使えませんぜ。(笑)
私としても、単独2勝目で絶対に思い上がって有頂天になるであろう(実際そうなりました 笑)愛媛担当委員の近藤酒造近藤社長のドヤ顔を思い描くにつれ、ここは判官びいきで高知県に勝たせたかったのですが、そこは八百長無しのガチンコ勝負。一切の操作はありません。
愛媛の勝因は「帽子」だとか「上にのっけたアイスクリーム」だとか他陣営からは予想通りのやっかみが飛びましたが(笑)、お客様としては、あまり難しく考えずに素直に味の印象で採点していただいたようです。
今年は、徳島からはおそらくカクテル史上初の「芋」と「どぶろく」によるカクテル、香川からはこれも史上初というか冗談だけで誰も挑戦しようと思わなかった「うどん出汁カクテル」と、およそカクテル常識を根底から覆すような大リーグボールのごとき魔球カクテルが出品されたのですが、点数的にも大きな開きは無く、どこが勝っても不思議のない高次元な争いでありましたことをご報告しておきます。
文責 H本のS藤社長(H本はえっちぼんとは読みません)
今回出品の地カクテルの飲めるお店
【愛媛県 日本刀】
店名 「Bar Tiny Bubbles(タイニーバブルス)」
新居浜市坂井町2-2-23 ラシュマンドエトワール 2F
п@089-733-1777
営業時間 18:00〜25:00 定休日:日曜祝日
【高知県 土佐モヒート】
店名 「バール・バッフォーネ」
高知市帯屋町1丁目2-10 サンスイビル1F
п@088-822-3884
営業時間 18:00〜24:00 定休日:水曜
【徳島県 きんとき〜の】
店名 「Bar鴻Kohno」
徳島市栄町1丁目67-2 橘ビル3F
088-624-0067
営業時間 19:00〜3:00 定休日:不定休
【香川県 伊吹恋詩】
店名 「スナック夜間飛行」
高松市鍛冶屋町4-21 ワンフットビル3F
087-822-4077
営業時間 20:00〜27:00 定休日:日曜
是非、お試しをっ!